ユーザーが「自分ゴト化する」共感型コミュニケーション ~サッポロビール・ライオンの事例で学ぶ~ 第2部 <スペシャルセッション> 次世代型動画広告とブランドセーフティ
2019/05/28

2019年2月20日、東京・恵比寿でOutbrain、amana、ALPHABOAT、indaHash、Teadsの5社による共催セミナーが開催されました。セミナーテーマは、『ユーザーが「自分ゴト化する」共感型コミュニケーション』。
第2部では、ネスレ日本株式会社 媒体統轄室 村岡 慎太郎氏と、Integral Ad Science Japan株式会社 アカウント・エグゼクティブ 山口武氏によるスペシャルセッションが行われました。セッションテーマは「次世代型動画広告とブランドセーフティ」。成長し続ける動画広告市場において、これまで通り、リーチ獲得を目指すだけではなくエンゲージメントを高める次世代型サービスが次々と登場する中、企業としてのブランドセーフティを守りながら、最新サービスを活用する事は可能なのでしょうか。そしてその価値とはいかなるものかについてのトークがスタートしました。
 

ネガティブな結果を生む配信を避けるため、アドベリフィケーションを意識することが大切



セッション冒頭、山口氏が触れたのは「アドベリフィケーション」について。山口氏は、「デジタル広告は、ポジティブなバリューを得られるものだけでなく、ネガティブな結果を生むものもあります。たとえばブランド毀損につながる恐れのあるメディアに広告が配信されることもそうですし、配信したのに見られていないこともあります。こうした無駄を省いていくことがアドベリフィケーションです」と説明。

これに対して村岡氏は、自社製品を例として挙げながら、「たとえばネスカフェやキットカットの広告が、バイオレンスやアダルトなコンテンツの多いメディアに出ることも、マイナスイメージを植え付けることにつながります。ブランドセーフティを保つために、こうしたネガティブな要素を排除することは大切です」と相槌。ネスレでは、IASやプレビッドを利用することで、そうした事態を防ぎ、意図しないメディアに出る率を大幅に下げたといいます。

「ビューアビリティやプレビッドがビジネスにとってどんなバリューがあるか、可視化することはとても大切。たとえば、KPIに対する取り組みでプレビットをかけた結果、CPCの効率もよくなったことがわかりましたが、一般的にはプレビッドかけると在庫が減るため、CPIが高くなると想像されています。でも、結果としてCPCもよかったですし、数字として可視化できる状態にすることが大事だと再認識しました」と村岡氏。

村岡 慎太郎氏
(ネスレ日本株式会社)


また、オープン、プレビッド、PMPで比較したとき、プレビッドは広告認知効果が高く、ビューアビリティが高くなるため認知度の向上に効果があるとされていますが、さらに、PMPは新聞や雑誌など真剣に読まれるコンテンツに挿入されるバナーであるため、さらにユーザーの理解が高まることがわかりました。

さらに山口氏は、「インプレッションの質と量に関して言えば、今まで通りのCPA、CPCの考え方では、より安くより多く獲るのが目指すところ。リーチを軸にしたビューアビリティだと、見られたことだけが評価されてしまいがちです。でも動画広告が2秒流れても、それがどういう企業のものか認知されることは少なく、広告効果が実現できるのは6秒流れたあたりから。1~2秒だとブランド認知度は1%以下ですが、4~7秒だと認知度があがっていきます」と説明。加えて、コンバージョンと閲覧回数の関係性について調べたところ、キャンペーンの場合、広告を見る回数が8回を超えると認知度が高まることがわかっていると話しました。

それでは、全インプレッションの何パーセントのユーザーが8回以上視聴しているかというと0.3%程度。ビューアビリティの率を上げる取り組みをおこなう中でも、1、2回しか視聴していないユーザーが多く存在していることがわかったといいます。

さらに、ランディングページへの到達をコンバージョンとした場合、広告を見ることによってコンバージョン率が45.3%上昇することが判明。さらに、ビューアブルなインプレッションでの到達率は86.2%でした。これはランディングページだけでのデータですが、そのほかのコンバージョンポイントにおいても広告閲覧時間との関係性をグラフで確認したところ、15~30秒間広告を見ているユーザーがもっとも効果を出していることがわかりました。
 

閲覧回数や閲覧総時間を明確化して動画広告を可視化



「しかし衝撃的なことに、15~30秒見ている人はたったの13%。では、キャンペーンにとって最も効果的な閲覧時間の蓄積ができているユーザーは圧倒的に少ないのです。リーチ基準でビューアビリティの率だけを追い求め、1回1秒みてくれた人を増やすだけでは意味はなく、一人一人のユーザーに効果的な回数と時間、広告を見てもらうことが必要です。1~15秒しか広告を見ていないユーザーに広告をもっと見てもらい、15~30秒蓄積させることが重要。同時に、閲覧数過多のユーザーをどう減らしていくかも考えた方がいいんです」と山口氏。

さらに、「一番大切なのは、一つひとつのインプレッションじゃなく、蓄積した閲覧時間。実際のコンバージョンは、ランディングページ到達の場合もあれば購入という場合もありますが、それを達成するために必要な閲覧回数や時間の蓄積などを明確化することが大切」と述べました。

山口 武氏
(Integral Ad Science Japan株式会社)


また、「今回は静止画でスタートしましたが、本当にやりたいのは動画広告の可視化。今回の取り組み内容を次回は動画に横展開したい」と明かす村岡氏に対しては、「より効果的な動画を利用する理由付けはたくさん出てきています。海外ではすでにプレミアムパブリッシャーやコンテンツメディアの注目度もあがってきていますし、今後も我々としては、お客さまの各キャンペーンに役立つようなレポートを実現したい」と意気込みを見せました。